ボブルヘッド人形をご存知でしょうか。首と胴体がバネでつながれた首振り人形のことで、古くは1700年頃から存在したと言われています。近年では米国メジャーリーグの花形選手や映画の主人公、さらには政治家などのボブルヘッド人形が多く作られ、人気を博しています。そうした世相を受け、プロ野球球団からボブルヘッド人形が作れないか、との相談が百貨店に寄せられ、私たちは製作に取りかかりました。

対象選手のデータとして頂戴できたのは、顔写真とポーズ写真の２点だけでした。ここから先は、私たちの経験値と想像を駆使して製作していかねばなりません。そこで私たちは全てのベースとなる初期段階が重要と考え、様々な角度からの映像や画像情報を元に、粘土鉱物のクレイを用いてデフォルメしながら原型を作り込んでいきました。クレイ原型を複数回提示しながら表情や首の角度、ユニフォームのシワなどを細かく調整し、ボブルヘッド人形らしいデフォルメの効いたスタイリングに仕上げていったのです。

出来上がった原型に着色を施した「彩色原型」の段階では、球団ユニフォームの色と違和感が生じないよう細部まで色を合わせるなど慎重に作り込み、お客様には大変満足して頂けました。納品したボブルヘッド人形は価格面でもクオリティ面でも高評価を頂き、以降は継続商品として引き続きオーダーを頂戴しています。